看護師怖い先輩に怒られてつらくなった時の心を楽にする考え方

まだ、経験の浅い看護師は、先輩に怒られてつらい思いをしている方も
多いと思います。

「先輩看護師の言動に対する病院勤務看護師の被害認識に関する研究」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/10/1/10_33/_pdf/-char/ja

によると、２０～３０代女性看護師９６３名のうち、１５２人が
先輩看護師の言動による被害認識を感じているということです。

先輩看護師の言動

過重な仕事を与えられた。　１０１人

ねちねちと𠮟責された。　　　６３人

人前で激しく𠮟責を繰り返された。　　４８人

ミスの注意だけではすまず、人格まで否定された。　３７人

無視され続けてる。　　２１名

ばかやろー、のろまなどの暴言をはかれた。　２０名

全然、仕事を与えられない。　１４名

辞めてもいいんだよなどと脅かされた。　　１２人

暴力をふるわれた。　　9人

そして、６７．４％が体調不良を訴え、やる気がなくなり、職場に
行きたくないと訴えています。

自分はダメだと自己否定してしまう人も多くなっています。

みんなけっこう、先輩からひどい態度をとられているんですね。

私も過去に先輩の態度で、つらい思いをした事があります。

怖い先輩に怒られた私の体験談

私は、看護師１～２年目の時、怖くてきつい先輩がいて時々
怒られることがありました。

イライラしてかっとなって怒ってくる先輩、ねちねちと嫌味を
言う先輩、無視をする先輩がいました。

かっとなる先輩には、「仕事が遅いわね、ちょっとどいて。」
と言われ邪魔扱いされました。

また、ねちねちと言ってくる先輩には、やり方を忘れた時、
「前も教えたよね。」と言われ微笑んでいるだけで、教えて
くれなかったので「すいません。」と謝ってもう一度教わった
事がありました。

その後も、嫌味を言われました。

クリニックに就職した時は、入ったばかりでしたが教えてくれず
無視をする先輩がいました。

自分が仕事ができなかったことがいけないのですが、先輩のきつい
対応で、自分に自信がもてなくなりました。

ネガティブ思考が拡大してしまった

同期は、てきぱきと仕事ができるのに私はできないことが多く
劣っていると思い、自信をなくしました。

清拭などを行う時も、私のやり方は、患者さんをかえって不快に
させているのではないか、注射や採血も強い痛みを与えている
のではないかと思うようになりました。

ドクターや他のナースが私の仕事を見て「あのできない看護師」と
思っているのではないかなど、ネガティブな思考が膨らんで
さらに自信をなくしていました。

そのことから仕事を辞めたいと思いました。

認知がゆがんでしまった

自分が悪いと決めつけたり、つらい気分に悩まされているときは、
物事をありのままに見えなくなっています。

認知行動療法では、このことを「認知のゆがみ」といいます。

頭の中に浮かぶ言葉や考えで物事を正しくとらえることができなくなった
状態です。

心がつらくなっている時は、認知のゆがみを抱えていることが
多いのです。

認知のゆがみの１０パターン

認知のゆがみとして代表的なパターンは、１０種類あります。

１．白黒思考

物事を白か黒かで考える、極端なものの見かた。
完璧主義になりやすく、「頑張ってもうまくいかないこと
もある」という現実が受け入れられなくなる。

２．一般化のしすぎ

よくないことがひとつでもあると、広く一般化して解釈してしまう。
たった一度の失敗でも「私は、いつも失敗する」と考えたり
「私は、皆から嫌われている」と思ったりしてしまう。

３．心のフィルター

ものごとの悪い面ばかりに目がいき、いいことなど一つもないように
感じる。世の中を苦痛に満ちているととらえたり、自分に対しては
いいところがひとつもないなどと考えてしまう。

他人の言動についても、悪く解釈しがち。

４．マイナス化思考

すべての出来事に、マイナスの解釈を加える。
「私のことが嫌いだから、連絡してくれないんだ」「今の部署には必要
ない人間だから、異動させられたんだ」などと、悲観的なストーリー
を勝手に作り上げてしまう。

５．結論の飛躍

根拠もないのに、自分にとって不利で、悲観的な結論に飛びついてしまう。

ちょっとでも悪いうわさを聞いたり、人との会話中に違和感を覚えたり
すると、早合点して悪い結論を出す。

６．拡大解釈＆過小評価

自分の失敗や短所を大げさに考える一方で、成功や長所は、
「こんなこと、できて当たり前」と過小評価する。

自分を好きになれずに、いつも落ち込むことになる。

７．感情的決めつけ

理性ではなく、感情で物事を判断する。

ゆううつだと「自分にはもう何もできない」と感じ、不安が強くなると
「きっと失敗する」と思い込んでしまう。

８．すべき思考

「～すべきだ、」「～でなくてはならない」というルールを作り上げて
信じ込む。自分にも他人にも厳しくなり、怒りや緊張など、マイナスの
感情にとらわれてしまう。

９．レッテル貼り

人やものごとに対して極端なイメージのレッテル貼り、それが事実かのように
思い込む。

嫌いな人に「あの人は嫌な人」というレッテルを貼り、その人の良い面
が見えなくなることも多い。

１０．個人化

よくないことが起こると、自分の言動と関連づけて、自分を責める。

自分にはまったく関係のない出来事でも、罪悪感にさいなまれてしまう。

［引用：心がスッと軽くなる認知行動療法ノート］

以上１０種類の中で私は、一般化のしすぎ、心のフィルター、マイナス化志向
拡大解釈＆過小評価、感情的決めつけ、結論の飛躍、レッテル貼りと７つも
当てはまりました。

認知のゆがみをなおさないと、つらくなるばかりです。

怖い先輩に怒られてつらくなった時の心を楽にする考え方

認知のゆがみをなおすためには、考え方を変えなくてはなりません。

１．つらい気分は、頭の中で作られるので良い解釈をする

もし、自分は人に好かれないというネガティブな認知をもっていたら
他人の態度に敏感になり、すぐに落ち込んだり悲しくなったりします。

一方で自分のことを好きでいてくれる人もたくさんいる。

相手には相手の都合があるという認知をもてば、過度に落ち込むことは
ありません。

つらい感情の原因は、出来事そのものではなく、出来事を解釈する
「認知」のフィルターにあります。

よい側面を見る癖をつけるとよいと思います。

２．自分のいい面と悪い面を正確にとらえる

失敗はあるけれど、ちゃんとできていることもたくさんある。

また失敗するのではないかと思ったら「いつも失敗しているわけではない
たいていの事はできている」と思う。

自分が嫌われていると不安になったら「すべての人に好かれたらいいけど
自分を好きな人もいれば嫌いな人もいる」と考える。

３．たとえミスをして怒られても失敗から学んで、次にいかせばよいと
思う。

４．相手の感情と自分の感情を分ける

先輩の怒りを極度に恐れてしまうことがあります。

でも、怒りを表わにし、相手を責めるのは相手の問題です。

自分自身の感情ではありません。

もし、迷惑をかけたのならその部分だけ誤ればよいのです。

先輩が怒っているのを全部自分のせいと決めつけず、状況を
客観的にとらえる必要があります。

先輩が機嫌が悪いのは、プライベートがうまくいかず、
機嫌が悪いのかもしれません。

私が怒られた先輩は、彼氏とうまくいっていない時にすごく
機嫌が悪くなると他の看護師が言っていました。

５．頭の中の考えと距離を置く

頭の中の考えと距離を置く方法が役立ちます。

考えが浮かんで来たら、その考えの後ろに「と思った」を
付け加えてみてください。

例

「いつもあたってくる先輩が腹が立つ」と思った。

「先輩に怒られるのが怖い」と思った。

「夜勤がゆうつでしょうがない」と思った。

自分の考えを客観視すると、思考や気分にのみ込まれるのを
防げます。

６．先輩を意識せず、目の前の患者さんのことだけに意識を
向ける。

私は、怖い先輩と夜勤で一緒にオムツ交換をした時
「とろい」とか「へた」とか言われるのではないかと
思って先輩のことばかりを意識してしまい、患者さんに
集中できていないことがありました。

それではよくないと思います。

まとめ

私は、できるだけ怖い先輩の視界に入らないよう逃げながら
仕事をしていました。

実際はそれでもいいと思います。

でも考え方としては、よい側面を見るようにして前向きな考えに
変えて、怒りやすい人にはこんな人なんだと相手の感情と自分の
感情を切り分けて考えるようにしました。

そして、自分が先輩の立場に立つようになったら、段々と開き直る
ことが出来るようになったのでメンタルも楽になったと思います。

怖い先輩の被害を受けている方は、つらいけどがんばってください。

私は、クリニックに勤めた時は、狭い空間なので無視してくる
先輩を避けることができず、結局退職しました。

その判断は、よかったです。

耐えられないほどの時は、転職をおすすめします。

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